只今、愛の診察中につき。


「養子として迎えられ、医師になるまで援助を受ける条件のひとつが、外科医になること。ロクデナシの僕は外科医になったらとっとと神楽坂を出て好きなように生きようと思ってた。医師になればこっちのもんだってね」

恩を仇で返す気満々だったんだよ?なんて、フフって笑って。

「けれど、無事に外科医になってもうすぐ1人前に色々とやれるようになるって時に、向こうから養子関係を解きたいと言ってきたんだ」

「……どう…して」

なんとなく、想像がついてしまっけれど
聞かないわけにもいられなかった。

そんなわたしの心を察している要さんは困ったようにわたしを見つめて、

「たぶん響が考えている通りだよ。凛花が僕と結婚したいと言ってきた」

ドクンーー。

解ってはいた。解ってはいたけれど、いざ要さんの口からそれを聞くのはショックだった。

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