只今、愛の診察中につき。
「答えになっていません!なんで、今もこの病院にいるんですか?」
わたしの問いに困ったように眉を下げながら
「…凛花が、あの通りでね」
要さんは、ふぅ。と重いため息をついた。
「…」
色々と察してしまったわたしは
なんて返したらいいのかわからず押し黙った。
「僕は、凛花とは結婚しない。僕が結婚したいと心の底から思うのは、響。君だけだ」
要さんがわたしのことを大事そうに
しばらく抱き締めていたけれど。
ーーわたしの心のなかでは少しの疑心が
生まれていた。