只今、愛の診察中につき。


「答えになっていません!なんで、今もこの病院にいるんですか?」

わたしの問いに困ったように眉を下げながら

「…凛花が、あの通りでね」

要さんは、ふぅ。と重いため息をついた。

「…」

色々と察してしまったわたしは
なんて返したらいいのかわからず押し黙った。

「僕は、凛花とは結婚しない。僕が結婚したいと心の底から思うのは、響。君だけだ」

要さんがわたしのことを大事そうに
しばらく抱き締めていたけれど。

ーーわたしの心のなかでは少しの疑心が
生まれていた。


< 114 / 184 >

この作品をシェア

pagetop