只今、愛の診察中につき。
要さんは凛花さんのこと
結婚相手とは見れないと言っていた。
でも、凛花さんは要さんのこと全然諦めてなくて。
ーーそんなふたりは、院内で堂々とあんなキスを交わしたりする仲で。
…なんか、凄く嫌だ。
凛花さんも、…要さんも。
要さんは、
わたしに甘い愛の言葉を囁く一方で
あんなに簡単に他の人とキス。出来ちゃうんだね。。
…わたし、要さんのことが解らないよ。
その時、17時を迎える時報が鳴った。
三井婦人は正門でもうわたしのことを待っている筈だ。
…でも、帰りたくない。
今日は、要さんと一緒の空間にいたくない。
そう思い、わたしはあらかじめチェックしていた普段施錠されていない裏口から誰にも気付かれずに病院を後にした。