只今、愛の診察中につき。


「そ、そんな事よりひとりで来たのかよっ。アイツはーーー」

「…」

「…なんか、あったんだな…?」

わたしの表情を見るなり叶はその綺麗な顔を曇らせた。

「叶、わたしっ…」

叶と会えて安心したからか涙がぶわっと溢れ出る。

「わぁっ!泣くなっ!話し聞いてやるから!なっ!?」

「テンチョー、叶が女の子泣かせてマース」

「なんだなんだ叶。お前も女泣かす程の男になったかぁ」

「そんなんじゃないッスよ!…瞬(しゅん)、お前覚えてろよ…」

テンチョーと呼ばれた30代半ばぐらいの大人の色気ムンムンなイケメンと、瞬と呼ばれたさっきの銀髪のイケメン。そして叶。

…ここにはイケメンしかいないんですか?

だからお客さんの殆どが女性ばかりなんだな。

納得。

って、さっきからその女性客達に物凄い目で見られてる…。

視線だけで殺されそうなぐらいだ。

居心地、悪い…。
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