只今、愛の診察中につき。
「っあ!わたし何か手伝うよっ!」
ハッとなって急いでキッチンに行こうとしたけれど、
「いいって。響はお客さんなんだから。俺んちに来た最初のお客さん!なっ」
ニカッと笑う彼にやんわり制された。
…それよりも、
「…最初の、お客さん…?」
「おぉ。そうだぞ。ほら、俺、自分のテリトリーに人入れたくねぇタイプじゃん?」
…そうなのだ。
叶は一見、人見知りもせず社交的に映るが
本当の彼は、わたしよりも人間嫌いなんじゃないかって思うくらい他人と距離を取り誰にも心を許したりはしない。
でも、なぜだか昔から彼はーー、
「響だけは特別だけどなっ」
そう言って、わたしだけそのテリトリーに入ることを許している感じで。
過去に何度も、なんでわたしだけ許してくれるの?って訊いたけど、いっつもうまくはぐらかされて。
よく、解らない。