只今、愛の診察中につき。

そんな事をつらつらと考えていると
食欲を誘うようなニンニクの匂いが鼻孔をくすぐった。


男の人が作るのは大抵パスタか肉料理ーー。


フッと片方だけ口角が上がった。




「おーまーたーせっと!」


叶の弾むような声と共に運ばれてきたのは、
ミートソーススパゲッティーと、シーザーサラダ。

「…叶の…手料理…」

なんだかそれだけで感動を覚えるが、
料理自体も本当に美味しそうだ。


「手料理を人に振る舞うのも初めてだから、なんか変に緊張するな」

「そうなの?でも、凄い美味しそうだよー!」

「ははっ!本当に美味けりゃいいけどな。さっ、食べようぜ」

料理をテーブルに並べ終えるとわたしの向かいにドカリと腰をおろしてフォークを手に持つ。


「じゃあ…いただきます」

「おぅ!食え食え!」

ドキドキしながらミートソースをひとくち。

こ、これはぁっ!!!
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