只今、愛の診察中につき。
過ち
ーーーーー
ーーーーーーー
「それで、瞬のヤツがさぁ~」
終始ご機嫌で話してくる叶だけど…
「…叶、ちょっとピッチ早くない?」
わたしはまだ3缶目だと言うのに、叶はもう最後の7缶目を尚も豪快にあおっている。
「へ?こんなん余裕だしっ!」
…そんな真っ赤なヘラヘラ顔で言われてもなぁ。
「全然余裕じゃなさそうだけどね」
わたしが溜め息混じりに言うとそれにカチンと来たのか、ジッとわたしを睨む。
そうと思ったら…、
「わっ!ちょっとっ!!」
グイッとわたしの腕を引っ張り自分の懐(ふところ)にわたしを閉じ込めた。
「酔ってねぇから。その証拠に俺の心音聞いてみろよ!ヘイジョーだ、ヘイジョー!」
「ハイハイ。どれどれぇ~?」
酔っ払いに付き合ってあげることにしたわたしは、叶の厚い左胸にピトッと右耳をつける。
…すんごいドキドキしてるんですけど。
わたしは思わずプッと吹き出し、ヘイジョーだと豪語する叶に真実を教えるべく顔を上げた。
「かなーーー」
その時。だった。