只今、愛の診察中につき。
叶は、何度果てても幾度となくわたしを求めて行為は繰り返され、わたしはその度にそれに応えて。
けれど、1度も絶頂に達することはなく
空に太陽がハッキリとのぼった頃にやっとわたしは解放されたーー。
「…」
時刻を確認すれば9時を回っていて。
叶は夢と現実の間をさ迷うようにうつらうつらとしている。
「叶。わたし、朝ごはん買ってくるよ」
「…俺が、」
「叶は寝てなって」
「…ん。わりぃ…。ほれ、俺の財布持ってけ」
「えっ、いいよ!そんなの…っ」
「いいから。その代わり、ちゃんとまたここに帰ってきてくれ」
「…っ」
「…な?」
「…うん、わかった。じゃあお財布借りるね。行ってきます」
洗濯して爽やかな柔軟剤を纏った自分の服を着て
叶の部屋を後にした。