只今、愛の診察中につき。
「今の響ちゃんに1番必要なのは心身を休めること!その為には弟とキミは邪魔なの」
それにーー、
「心身が回復したときに、どちらかを選ぶのかどちらも選ばないか。選ぶのは響ちゃんよ」
馨さんの言葉にドキリとする。
どちらも選ばない選択肢も、あるんだな…。
「…そう言えば馨さん。さっき帰られたのに、どうしてまた?」
わたしの問いに馨さんは「そうでした!」と戻ってきた理由(わけ)を思い出したようで、
「響ちゃん、明日退院出来るって!それだけ伝えにまた来ちゃったのっ」
「あ、明日っ!?」
「明日って…あり得ねぇ。…アンタ何かしただろ」
「フフンっ。そう言うわけで明日の朝に迎えに来るわね」
「は、はぁ…」
話の流れの早さについていけない…。
「コイツはまだ車椅子生活なんだぞ!?それなのに明日退院だなんてーー!」
叶は必死に馨さんに刃向(はむ)かうけれど
当の馨さんにはまるで通用しない。
これが大人の余裕ってものなのか…?