只今、愛の診察中につき。
少ない荷物をまとめていると
お世話になった看護師さん達が挨拶に来てくれて
病棟を出るところまで見送ってくれた。
エレベータに乗ったところで
見送ってくれた看護師さん達に向けていた笑顔の仮面が剥がれて無表情になった。
…本当に、これからどう生きていこうかな。
手っ取り早く稼ぐならやっぱり夜のお仕事ー……
そう考えた途端に叶の意地悪な表情と
「抱き心地が悪い」
と言われたことを思い出した。。
出るところ出てないわたしの貧相な体で
夜の仕事は無理か。
最悪、職が見付かるまで生活保護かなぁ。
やっぱりホームレスは嫌だもんなぁ。
はああぁぁぁぁぁ…っ。
大きなため息とともに久しぶりに病院の外にでた。
「わっ…!」
その途端に容赦なく降り注ぐ太陽の光。
思わず目を閉じると、ふいに聞こえた
あの人の柔らかな声ーー。
「響」