只今、愛の診察中につき。
「叶!?なんでっ…」
なんで、知っているのーー?
『アイツから電話かかってきて…明日ーーっ!響、俺を選んでくれ!仕事もちゃんとした所に就職するし、響のこと一生離さないし、一生懸けて幸せにするから…!だから、俺とっ…』
叶のこの言葉に嘘などひとつもないのだと確信出来る程の想いが、心に響いてきた。
ああ。と思う。
叶と関係を持ったあの夜。
何度も身体を重ねたのに1度も絶頂を迎えることがなかったあの、夜。
その時点で答えは出ていた。…筈、なのに。
叶のひたむきで一途で健気な想いを感じる度に揺れるこの心。
「叶…。明日まで時間を頂戴。答えは、明日に必ず」
『…っっ。わかった…』
今ここで自分を選んでほしかったんだろう。
わたしが逆の立場だったらそうだから。
けれど、こんな曖昧な気持ちのままどちらかを選ぶことなんてわたしには出来ない。
…答えを、出さなくちゃ。