只今、愛の診察中につき。
翌朝ーーー
わたしは既に馨さんの運転する車に揺られていた。
目的地に近付くにつれて緊張で空気がピリリと冴える。
その空気を破ったのは、馨さん。
「…響ちゃん。…本当にこれでいいのね?」
「はい」
「きっと、もう、後戻りは出来ないわよ…?」
「…解っています」
「…そう。それならわたしから言うことはもう何もないわ。もうすぐ着くからね」
「…はい」
わたしはスマホを取り出し、今から会おうとしている人物にコールする。
「…もうすぐ、着くから」
わたしも緊張しているけれど、電話口からも相手の緊張が伝わってくる。
ドクドクドクドク…
心臓がおかしくなるぐらい鼓動がはやくなる。
そして、とうとう目的地に、着いた。
そこに立っていたのはーーー、