只今、愛の診察中につき。
「どうしたの?そんなグッタリして。長旅で疲れちゃったかな」
「っっ」
誰のせいだ!誰のっ!!
よっぽど言ってやろうと思ったけど、言ったら言ったで喜んじゃうかも知れないから心の中で思いっきり毒ついて言葉にして出すのはグッと我慢した。
「…疲れている所申し訳ないんだけど、ちょっとだけ僕に付き合ってくれない?」
極上スマイルを添えてそんな言葉貰ったら、断る女性なんているんだろうか。
そんなことをぼんやりと考えていると、わたしの返事を待たずして要さんはわたしが乗っている車椅子を押し出した。
…わたしに答えを求めた意味は?
凄くそれをツッコミたかったけれど、何だか要さんの雰囲気がいつもと違って、ふざけられなかった。
どうしたんだろう…?
やっぱり叶との事が許せなくて…?
不安の波が一気に押し寄せてきた。
ここまで来て別れを告げられたって文句言えないこと、わたしはしちゃったんだもん。
全てはわたしが悪いんだから受け入れなくちゃ。
そんな思いとは裏腹にさっきから寒くもないのに震えが止まらない。