只今、愛の診察中につき。
…いま、わたし…プロポーズ…されたの…?
要さんから…プロポーズ…。
そう頭で認識した途端、止まった筈の涙がまたぶわっと溢れた。
「響。…返事、聞かせて?」
わたしは、知っているんだ。
「…ってる、くせに…」
「ん?なぁに?」
「返事っ…!わかってる、くせに」
これから断られるかも知れないって思ってる人なら、そんな圧倒的に自信に満ちた表情でわたしを見たりしない。
「ひびきぃー?」
それでも、意地悪に笑って返事を急かしてくるんだ。
「…よろしくっ、お願い…しまふっ!」
「あははっ!肝心なところで噛んだっ!」
指輪が入った箱を持ちながらケラケラと可笑しそうに笑う要さんをわたしは恨めしい目で睨む。