只今、愛の診察中につき。

「…先生」

「ん?」

「歯ブラシ、2本あります。」

「あ、このピンクの方は勿論響ちゃんのだよ」

あと、ピンクのバスタオルもねー!

そう言いながら最後に通されたのが寝室で。

……そこには、可愛らしいドレッサーと
クイーンサイズのダブルベッドが……。

……とても嫌な予感がするんですけど。

「あの、先生……。この、部屋は、一体誰の」

「僕と響ちゃんの部屋だよ?」

サラリと言ったよこの人は!!

「こっ、困ります…っっ!!」

「なにが?」

「寝室が一緒だなんて…っ!しっ、しかもダブルベッド……!!そもそもなんでわたし先生と暮らさなきゃいけないんですかっ!?」

ありったけの肺活量使って喋ったもんだから
また酸欠で倒れそうになった。

そんなわたしを先生はまた優しく抱きとめた。

「実家、帰りたくないんでしょ?」

「うっ…」

「アパートも解約させられたんでしょ?」

「ううっ…」

「頼る友達とかもいないんでしょ?」

「…っ」

もうぐうの音も出ない。

「だからここが響ちゃんの家になったんだよ。大丈夫!一生ここに居ていいから」

わたしを抱きとめたままニッコリ笑った先生。

『一生』って…。

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