只今、愛の診察中につき。


「……好きだ。響」

「…っっ」

突然の告白に驚いた瞬間、怒りを覚え
わたしを抱きしめている腕を振り払って先生と対峙した。

「っだから!同情なら…」

「僕、精神科医なんだけど?」

わたしの言葉を遮って先生はニッコリ笑う。

「患者の境遇とか過去とかにいちいち同情していたら、いくつあっても身が持たないよ」

「…っ!じゃあ、なんでわたしなんかを…」

困惑しているわたしを今度は正面から優しく抱きしめて

「言ったろ?好きだって」

吐息交じりに耳元で囁いてきた先生に
思わずビクリと体が反応してしまった。

「す、好きって…!だって、」

まだ出逢って間もないし、接していたのも一応
担当医と患者としてだし!

真っ赤になって言葉が口から出なくていると、

「ふっ…可愛いな。さて、僕は夕飯の支度するからその間にお風呂入っておいで」
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