只今、愛の診察中につき。

これまた先生が用意してくれた可愛いピンクのルームウエアに着替えてリビングに戻った。

ドアを開けた途端に美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐった。

「お風呂いただきました。……いい匂いですね」

「丁度ごはん出来たところだよ。響はそこに座っていて」

「はい」

例のこじんまりとしたテーブルに次々と料理が並べられて、それを見て驚いた。

「和食…」

男の人の料理って、パスタとかステーキとかのイメージが強かったから面食らったのだ。

「僕、自分で作るならこういう和食がいいんだよね。栄養もたっぷだし、ヘルシーだしね。響も和食好きでしょ?」

「あ、はい。…って、そんな事までリサーチ済みなんですね」

思わず苦笑すると、

「当たり前でしょ。響の胃袋掴みたいからね。
さ、料理が冷めないうちに食べよう」

先生も椅子に座ると、ふたりで「いただきます」をした。

メニューは、塩鮭に、納豆に、お揚げとお豆腐のお味噌汁、イカ大根、そしてーー、
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