只今、愛の診察中につき。


なんだか、今も、優しく頭を撫でられているような感覚がする。

夢なのにな。

でも、凄く落ち着くな。

これが、夢じゃなかったらいいのに…。

「……おばあちゃん…」

「え。僕、おばあちゃんなの?」

「っっ!!」

突然降ってきた声にわたしの心身が瞬時に覚醒して、目を見開いた。

「おはよ」

「ぎゃあっ!!」

お互いの息遣いが聞こえるほど目の前に白井先生がいて、ビックリした勢いのまま先生から離れたらそのままドタッとベッドから落ちてしまった。

「大丈夫?」

「こっ、ここはっ!?」

この事態を急いで把握しなければと思えば思うほど寝起きの頭はこんがらがる。

「寝室だよ。忘れちゃった?響、僕がお風呂入ってる間にソファで寝ちゃってたからそのまま寝室に運んだんだよ」

「は!?…はっ。はぁ」

そ、そうだった。わたし、寝ちゃったんだった…。

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