只今、愛の診察中につき。

朝ごはんは、
土鍋で炊いたご飯に、玉子焼き、明太子に、ぬか漬け。そして、なすのお味噌汁。

大好きなものばかり。

「いただきます」

先ずお味噌汁をひとくち。

かつおといりこ出汁が効いていて、お味噌は麦味噌。そこに揚げたナスがその味を吸って
噛むとジュワリと旨味が口内に広がった。

次にふわっふわの玉子焼きを口にする。

「……ズルいです」

「何が?」

「何もかもです」

「響?」

「なすのお味噌汁大好きなんです!玉子焼きも、だし巻きかと思うぐらいじゅわじゅわだけど実は甘いって言うのも大好きなんです!もうっ、お箸が止まらないじゃないですかっ!!」

怒りながらガツガツ食べるわたしを見て、先生は最初ポカンとして。

でも、その次にとろけるような極上な笑顔を見せてくれた。

「…っっ!」

その笑顔にドキリとして、思わず箸を止めた。


< 32 / 184 >

この作品をシェア

pagetop