只今、愛の診察中につき。

薬は朝のだけで12錠ある。

精神薬の他に、精神薬の副作用を抑える薬も飲まなければならないからだ。

気付けば先生は仕事へ行く準備をもう整えていた。

「響、僕が帰ってくるまでお留守番出来る?」

まるで幼子に言うように優しく心配気に。

「子供じゃないんだから出来ますよ」

子供のように扱われたのが少し気に入らなくて、プイッとそっぽを向く。

「……そうか。今日は窮屈かも知れないけれど家のなかで過ごしてね。家のものはなんでも好きに使っていいから。僕が帰ってきたら買い物にでも一緒に行こうね」

そう言うとわたしをぎゅっと抱きしめて、
後ろ髪を引かれるとはこのことだと言わんばかりに引かれまくって先生は家を後にした。



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