只今、愛の診察中につき。
「……」
他人の家に一人きりって言うのは、
病室にひとりきりより落ち着かないな。
取り敢えず歯磨きと洗顔を済ませ、
サッと化粧水をつけてから
パーカーとショーパンに着替えた。
そして、最後に髪をとかしてお団子にまとめた。
先生の家は温度管理もしっかりしていて
暑くも寒くもない。
昨夜寝てしまったソファにまた吸い込まれるように座った。
近くにテレビのリモコンがあったから
なんとなくつけてみる。
朝のニュースやドラマや料理番組。
パッパッパッと無表情のままチャンネルを切り替えてゆくもどれもつまらなくてすぐに消した。
なんとなく寂しくなって膝を抱える。
…先生、何時頃帰ってくるんだろう。
まだ朝の9時なのにもうそんか事を考えてしまう自分が可笑しかった。
独りは慣れている筈なのに…。
膝を抱えたまま、ポスンと横に倒れる。
だんだん朝の薬が効いてきて眠くなってきた。
…あ、ダメ……。
意識がゆっくりと、闇に呑まれていった。