只今、愛の診察中につき。
「……っっ」
言葉が出ない。
その代わりに言い様のない恐怖と冷や汗がわたしの身体中からあふれでていた。
「…ゴミクズが」
誰からともなくわたしに罵声を浴びせ始める。
「不吉な子」
「気味の悪い女」
「お前といると不幸になる」
「悪魔」
「その気持ち悪い眼を向けんな」
「この醜女(しこめ)が」
ドクドクドクと、心臓が破裂しそうな程早く音を立てる。
その時反射的に先生を見て救いを求めた。
「せんせっ…!」
そんな先生のその整った唇を残忍な形に歪ませ、
わたしにとどめをさした。
「シネ」
「あっ……あ、あ……」
両耳を手で塞ぎ、イヤイヤと首を振る。
「ぃ、いやっ……いやぁ……っ」
「シネ」
「シネ」
「シネ」
「シネ」
「シネ」
お父さん、お母さん、諒太、叶、尊さん……
「シネ。ゴミクズが!!」
「いやぁぁぁあああっっっ!!!!!」