只今、愛の診察中につき。

「ガンバリマス」と言ったはいいけど
ガトーショコラを三分の一食べたところでフォークが止まってしまった。

「どうした?食えねぇのか?」

「…ガトーショコラって、こんなに甘かったっけ?」

「はぁ?ガトーショコラは普通苦ぇだろ」

どれどれと叶が強引にわたしのフォークを取り上げると
グサッとケーキをぶっ刺してそのまま大きな口を開けて放り込んだ。

もごもごしながら途端に渋い顔になり、

「……十分苦ぇぞ」

その様子が可笑しくて、思わずぷっと吹き出してしまった。

それを見た叶は一瞬凄く驚いて

「そうやって、たまには笑えよ」

優しくわたしの頭をポンポンしてきた。

「…そう言えば、どうしてわたしがここに入院してるってわかったの?」

素朴な疑問だった。

わたしは叶に入院のこと一言も言わなかったのに。
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