只今、愛の診察中につき。
「白井先生は、アンタに同情してるだけなんだから!」
「どうせすぐ飽きられて捨てられるわよ!」
「自傷ばかりしてバカじゃないの?先生も変わり種に手を出したものだわ」
耳を塞ぎたくなる言葉の数々にただただ耐えていると、
「どうせ先生はもうすぐ理事長の孫娘と結婚するんだから、アンタは用無しになるか、せいぜい愛人になるかよねぇ」
「……え?」
理事長の孫娘……?
もうすぐ結婚……?
ナニソレ。
看護師達は、ざまあみろとばかりに嗤ってる。
「う、嘘…でしょ…っ」
やっとの思いで絞り出した言葉が震える。
「嘘だと思うなら愛しの先生に聞いてみたら?」
クスクスと笑い声があがる。
「あぁ、そうそう。ちなみに、ここにいる私達みんな先生に抱かれたことあるから」
「そうそう。白井先生は『みんなの先生』なの。だから、先生に抱かれた者同士、抜け駆けなしで仲良くしましょうよ」
そう言うなり看護師達はなに食わぬ顔でトイレから出ていった。
残ったのは呆然とその場に立ちすくんだわたしだけ。