sweet story
[秋山君に聞いた。。]
[秋山に?そっかそっか。]
百合も腰に手を回す。
[まだいってないことあって。]
[・・・なに?]
[・・・・・ありがとう。
転校してきたあの日、一人でつらかった。
男に囲まれたあの日、一人で怖かった。
苦しかった。学校に行きたくもなかった。
あなたが変えてくれた。
私を変えてくれた。
ありがとう。]
より一層抱きしめる力を強くする。
[もう学校いかなきゃだから、お別れだけど、がんばるんだよ?]
[ゆりのことは絶対忘れない。]
[私も、ケースケのこと絶対忘れない。]
あっそうだという風に百合はかばんから何かをだした。
[これ、お礼]
渡されたのは小さな紙袋だった。
[ありがとう・・・じゃいかなきゃ。]
百合は学校に向かって歩き出した。
[百合ーっ・・また会えるよな?]
大きな声で叫んだ。
百合は振り向いては、また学校へのみちを歩みだした。
僕にはうなずいたように見えた。