sweet story
学生生活
その後から、百合と話すのが楽しみだった。


といっても、彼女から話しかけられることはまずない。


放課後に図書館に行く。手伝う。これを繰り返す。

その中で、一言二言はなすだけなのだ。



[なんてよべばいいの?]

[好きにどうぞ。]

[はいはい。てか、転校初日さ、転校生って珍しいと思わなかったの?
君だけ外向いてたよ。]

[興味なかったのよ。あとちょっとしか学園生活がないのに、転校生と親しくなろうと思わなかったもの。]

[そんな転校生と仲良く話しているのは誰ですか?]



顔を赤くしたのを隠すかのように


[うるさいわね!もういいでしょ。帰りなさいよ!]


そういわれると図書館の外まで連れて行かされ、鍵を閉められた。


百合っていわゆる

  [ツンデレ]

だよな〜と思っていると、忘れ物をしていることに気づいた。

急いで教室に戻ると彼女の席に鞄があるのを

確認した。ここで待っていたら、来るのかなと思いながら、

忘れ物をとり、机に座って考え事をしていた。


なぜ嫌われているんだろう?
性格が暗いから?
でもそんなことでいじめるなんて幼稚だな(笑)
なんでだろうな〜????
と考えているうちに眠ってしまっていた。



ZZZzzzz...






目が覚めると、背伸びを一回した。背中から何かが落ちた。

カーディガンかセーターかわからないものだった。

僕は百合が来たんだ!と思い、周りを見渡した。

教室はもちろん、廊下もいなかった。


いつかけたんだろう??

外はもう暗くなっていた。
セーターかカーディガンかわからないものを手にとり、あしばやに帰った。
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