きみと一から始める私
02
*****
「えー、じゃあ本当に急だったんだね!」
「そうそう。だから制服も来週くらいになりそうって」
「椎名くんスタイルいいからうちの制服も絶対似合うよ!」
「あはは、だといいんだけど」
一限が終わってすぐ、次の授業までの間の10分休みに一斉にクラスメイトの女の子たちが椎名くんの周りに集まった。
隣の席の私はというと…もちろん気を利かせて退席。
「なんか斉藤も大変だな」
「え、あ、そんなことは…!」
黒板を消したりしてなんとかやり過ごしていると、その様子を見ていた瀬尾くんに声をかけられ、思わず黒板消しを落としそうになってしまう。