きみと一から始める私



かたや私なんて、ここが保健室、体育館、多目的ホール、化学室…なんて本当にただただ案内してるだけ。



そんなのより、絶対ためになるし楽しいはずなのに。




「んー、まぁ、そうかもしれないけどさ。そうやって何もしなくてもあっちから来てくれる人は放っとこうっていうか」



「……はい?」



「斉藤さん、この機会逃したらちゃんと喋れなさそうと思って」




にこっと上から落ちてくる笑顔。



まぶしい。私には、眩しすぎる。




「せっかく同じクラスになったのに大したこと話せないままクラス替えとか嫌じゃん」



「そう、ですか」



「うん、そうだよ。だから俺、まず斉藤さんと友達になろうと思って」






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