きみと一から始める私
8時前には学校について、下駄箱で上靴に履き替えて。
身だしなみチェックのために設置された大きな鏡に映った自分から思わず目を逸らしてしまった。
だって…うん、自分でもダサいと思っちゃうんだもん。
うちの学校はここら辺では制服が可愛いと有名でそのせいか倍率も高い。
偏差値も低いわけではなく、みんなが1度は憧れる学校なんだ。
そんな学校に受かったにも関わらず、私は、と言うと…
「…はぁ」
首元までしっかり閉めたカッターシャツのボタン。学校指定のリボンは垂らすことなくきっちりと。
スカートはもちろん膝下。
髪だって人生で1度だって染めたことない黒髪。
胸まで伸ばして、特にアレンジをする訳でもなく寝癖を直しただけの髪だ。
前髪も目にかかるかかからないかの所で切りそろえて、極めつけには縁の太い大きな黒縁メガネ。