きみと一から始める私
「みんな大ニュース大ニュース!!!!!」
うんうんと考えていると、教室のドアが音を立てて勢いよく開いて、一斉に注目が集まる。
「朝からうるせーな瀬尾」
「ちょっと瀬尾!びっくりしたじゃん!」
「わりぃわりぃ!でもマジで本当に大ニュースだから!」
クラスのお調子者的ポジションの瀬尾(せお)くんが息を切らせて飛び込んできたんだもん。それなりのニュースに違いない。
私も気になってしまって聞き耳を立てていると、瀬尾くんがすぅっと息を吸い込んで。
「なんと今日、転校生が来るらしいでっす!!!」
放たれた大ニュースは、うーん…大、とまではいかなかったのかもしれない。
「え、待ってみんな反応薄くね?」
「だって男か女かもイケメンか美少女かも分からないんじゃ盛り上がりにかけるっていうか…」