きみと一から始める私



教室に入ってきた人物を見て、わっと声を上げたのは女の子たちだった。




「待って待って!めっちゃイケメン!!」


「ヤバすぎる!どタイプ!!!!」



「神様ありがとう〜っ!」




近くの席の子達とヒソヒソ話し始める女の子たちを横目に、吉田先生が口を開く。




「名前は椎名千紘(しいな ちひろ)だ。隣県から越してきたばかりで分からないこともあるだろうがフォローしてやってくれ。」




急なことで間に合わなかったのか、前の学校の制服姿の彼は、一際目を引いた。



青いストライプのカッターシャツに、白いセーター、ダークグレーのスラックス。


ターコイズブルーのネクタイに、ワンポイントで校章が入っていてやけにオシャレな制服。



「じゃあ、椎名。なんか一言」



「あー、えっと…つい最近越してきたばかりで慣れてないことばかりなんですけど、少しの間面倒見てやってください!よろしく」



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