きみと一から始める私



ぱちぱちと歓迎の拍手が飛び交う教室で、彼は間違いなく主役だった。



高い鼻、白い肌、桜色の唇。



キリリと整った眉に、ぱっちり二重の長いまつ毛に縁どられた瞳。



身長も高く、175センチはあるであろう彼はテレビの中にいてもおかしくないような美形だった。



「席は斉藤の隣な。ほら委員長、手上げろ」


「え、あ、は、はい…っ」



みんなと同じようにその美貌にボーッと見とれていると吉田先生に呼ばれて声が裏返りそうになる。恥ずかしい…!




「斉藤さん?よろしくね」



長い足は言われた通り私の隣の席でとまり、かたん、と小さな音を立てて彼…椎名くんが席に着いた。



だ、だめだ…直視するにはレベルが高すぎる…!




近くで見るとそのオーラは何倍にも感じられて、返事をする代わりにこくこくと頷くことしか出来なかった。





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