愛を知らない私を愛して
「ん? 俺も依茉ちゃんくらいの年の時、そういうのばっかりだったから分かるよ」
「窪田さんも?」
「うん、俺20代の頃から仕事ばっかりの人間だったんだけど俺の外見で寄ってきて付き合って、付き合ったら"仕事と私どっちが大事なの"って言われてフラれる」
……窪田さん、モテそうだもんなぁ……
「そんなの言われたらさ、悪いけど仕事とっちゃうんだよ。俺にとって生き甲斐は仕事だから。だから俺の仕事を支えてくれるような子と出会いたいよね、でもこれがなかなかいないんだよなぁー……」
窪田さんはハハッと笑った。
「……難しいですね」
「他人に外見で得してるなって言われるけど違くない? 逆に嫌なことばっかりだよね」