愛を知らない私を愛して
" 渚へ
湊(みなと)の養育費、ありがとう。
湊、どんどん渚に似てきた気がする。
やっぱり、湊には父親がいないと
だめだと思うの。
私も渚がいないと耐えられない。
あの時、突き放して欲しくなかった。
渚に会いたい。"
そんな手紙の内容に俺はクシャッと紙を握りしめる。
「おまえは……どこまで俺を縛りつけようとするんだ……」
夫婦仲の時はいつも仕事をしてる俺に莉子は不満を抱いていた。
会社にまで押しかけてくるほどだった。
子供だって作る気はなかった。
俺は避妊をちゃんとしていたのに……莉子はそれを聞かずそのまま行為をしたのだ。