愛を知らない私を愛して
そして封筒を開けた。
" 依茉ちゃんへ
最近会えなくて本当にごめん。
依茉ちゃんには本当に我慢ばかりさせて
待たせてばっかりでなにもしてあげられなくて
依茉ちゃんより10個も上の俺が依茉ちゃんに
支えられてばっかりで不甲斐ないと思う。
エスカレーターから落ちて大怪我をしたって
聞いて駆けつけた。
あの日、依茉ちゃんを押したのは俺の元嫁なんだ。
今頃警察で捕まってると思うからもうなにも
されないから安心してね。
けど、これは全部俺の責任だ。
俺が元嫁のこともちゃんとはっきりさせなかったから。
依茉ちゃんを傷つける形になってしまった。
本当にごめん。
まだ若い依茉ちゃんは俺といることによって
時間を無駄にしてしまう。
そんなことはさせたくない。
これから新しい出会いだってたくさん
あるんだから。
ごめん、依茉ちゃん。
最後に会いたかったけど会ったら名残惜しくなってしまうから。
これで終わりにしよう。
窪田 渚 "
「……な、にこれ……」
私は手紙を読んで手が震える。
「……なにこの手紙!!!!」
そして私はグシャッと手紙を丸めた。