愛を知らない私を愛して
「依茉……」
「いきなり終わりにしようってなに!? 私はそんなこと望んでない!! この怪我だって、渚くんのためならどうってことない!!」
どんどん溢れ出てくる怒りと涙。
「なんで直接話してくれないの!? また逃げてるだけじゃん!! 私に、俺からは離さないって言ったくせに……!!」
「依茉……!!」
手紙をぐちゃぐちゃにしようとした私の手を藤井サブが止めた。
「……落ち着いて」
藤井サブの私を見つめる顔に涙が溢れる。
「……っ、うっ……なんで……? こんな終わり方ってある……? こんなに好きなのに……」
「……依茉……窪田さん、すごい真剣に考えてた。依茉のことを第一に考えてた。これは窪田さんが悩んでだした結果だよ……」
……分からない。
やっと好きになった人にでさえこうやって私は裏切られてしまうのか。
「苦しい……」
そうなったら私は一体誰を愛せばいいの?