愛を知らない私を愛して
「ははっ、全然NGなんかじゃないよ。むしろありがたいんだ。うちの会社のブランドはなかなかインフルエンサーという人がいなかったからね」
「インフルエンサー……ですか」
「ああ、今櫻井くんは若者に注目を一気に浴びてるだろ? だからうちのブランドの専属モデルになってもらいたいんだ」
社長の言葉に私は目が点になった。
せ、専属モデル!?
「えっ、と……とても嬉しいお話ですが私にはモデル経験はありませんし、店舗も私が抜けたら人が足りなくなってしまうんじゃ……」
私がそう言うと店長が私にパチっとウインクをした。
「店舗は大丈夫よ、すぐ社長が人を手配してくれるみたいだから」