恋鍵-君に愛言葉-
「ここの病院」



木下さんの仕事が終わるのを待って、木下さんの車で立花さんが入院しているという病院にやってきた。



「ありがとうございます」



木下さんと車から降りて、始めてくるこの病院へと足を踏み入れる。



「立花くんは三階だったはず」



すこしまえに新しくできたというこの病院はピンクを基調としてとても暖かみのある雰囲気だった。
新しいからかすごく綺麗で、あたしもなにかあったらここに来ようかな、なんてことも考える。



「あーあった」



〝立花秀也〟と病室のネームプレートには書かれていた。



「たちばな……しゅうや」



あたしはその名前に覚えがあって。
いや、立花という名字は知らない。
秀也という名前のひとが前にいたなと懐かしく思う。



「立花くーん」



木下さんが個室である立花さんの病室のドアから少し顔を覗かせる。



「木下、びっくりした」



〝木下〟〝立花くん〟と呼ぶところを見ると、立花さんと木下さんは同期なのだろう。

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