アンバランスな関係
「生徒会長って松川先輩?」

「マジで?」

「信じられない!
谷山の毒気にやられちゃった?」

女子の悲鳴と
男子の叫びが響く

お姉ちゃんは女子に不人気だ

教師なのに
女の色気を出していると
よく悪口を聞く

男子に人気がある分
女子には憎まれていた

私も驚いていた

順子が近づいてきた

「今さ、PTAの久我山が来てるよ!
理事長が慌てて職員室に来ているのが見えてさ
盗み聞きしたんだ

これから教師全員を集めて
PTAたちと話し合うみたい
でも妙なんだよね~」

私の席を中心して
クラスの女子が集まってきた

誰もが順子の情報を聞きたいのだろう

順子は私の親友
耳にした情報を話してくれた

「妙って何よ」

他の女子が質問した

「だってさ
問題が起きると久我山って
ちょー嬉しそうに来て
〇〇って教師は首よ…とか
生徒は退学…とか
言うじゃん

言わないんだよね
見間違いだったわ…とかって
言ってた」

順子の制服から漂ってきた匂いに
私は鼻をヒクヒクさせた

この匂い

瑛ちゃんからした香水と同じ匂いだ

「久我山とすれ違った?」

「うん。
あのおばさん、香水がきつくてさ
鼻がもげるかと思ったよ!」

順子は鼻をつまんで
嫌な顔をした
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