アンバランスな関係
「すみれ!
谷山に怒られた?」

教室に戻った私に
順子が飛びついた

「なんで
私が怒られるのさ~
確かに授業態度は良くないけど

弁当、拾ってくれたらしい
いつ落したんだろうね~」

笑顔で答えていると
廊下から視線を感じた

横を見ると
白衣が見えた

瑛ちゃん?

「今、小泉先生が廊下を歩いてたよ~」
廊下にいたクラスメートが
黄色い悲鳴をあげて
教室に入ってきた

やっぱり
瑛ちゃんがいたんだ

具合の悪い生徒でも
近くにいたのかな?

「2年の久美先輩
小泉先生のファンクラブを立ち上げたってさ」

順子が廊下を見つめた

「そうそう
小泉先生に質問があるなら
私を通しなさいって
保健室に行った1年生を締め上げてたよ」

クラスの女子が会話に参加してきた

「具合悪くなっても
保健室に行けないじゃん」

私の言葉に女子たちが笑い声をあげた

「久美先輩
ファンクラブの前に
告ればいいのに」

瑛ちゃんなら断らないと思うけど

「ナイス突っ込み!
噂だと告って
振られたらしいよ」

順子の返事に
女子たちが頷いた

「久美先輩
綺麗なのにね~」

ぼそっと言った私の言葉に
順子が怪訝そうな顔をしていた
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