課長、恋しましょう!
「あ、なぁに溜め息なんかついちゃってるんですか?」
突然、俺の肩をポポンと叩く若い声。
振り向くとそこにはだれもいない――ので、ス、と視線を下へ。
頭まるまる一個分背の低い、まさしく小娘が、俺を見上げていた。
「おはようございます、課長♪」
「あー、なんだお前か……おはよう」
「ああっ、お前かはないと思いますよ、お前かはー」
ぶぅぶぅ文句を垂れる彼女は、今年入社してきた新社会人だ。
つい二ヶ月前まで、大学に通っていたと。女子大生ちゃんだったと。まだまだ、着ているジャケットがピカピカしてますぞと。そういう小娘だった。
「私は朝から逢えて嬉しいですのに、課長はほんとノリが悪いったらもうっ」
ふざけてるんだかなじってるんだか……彼女はだらんと肩から下がってるだけの俺の腕にしがみつく。
呟いた。
「おい、胸。それから恥を持て。公然だぞ」
「胸、当ててます。羞恥心あります。公然ですね。緊張します。優しくエスコートしてくださいね、課長?」
「……」
お前、ひょっとして、世に言う天然か?
突然、俺の肩をポポンと叩く若い声。
振り向くとそこにはだれもいない――ので、ス、と視線を下へ。
頭まるまる一個分背の低い、まさしく小娘が、俺を見上げていた。
「おはようございます、課長♪」
「あー、なんだお前か……おはよう」
「ああっ、お前かはないと思いますよ、お前かはー」
ぶぅぶぅ文句を垂れる彼女は、今年入社してきた新社会人だ。
つい二ヶ月前まで、大学に通っていたと。女子大生ちゃんだったと。まだまだ、着ているジャケットがピカピカしてますぞと。そういう小娘だった。
「私は朝から逢えて嬉しいですのに、課長はほんとノリが悪いったらもうっ」
ふざけてるんだかなじってるんだか……彼女はだらんと肩から下がってるだけの俺の腕にしがみつく。
呟いた。
「おい、胸。それから恥を持て。公然だぞ」
「胸、当ててます。羞恥心あります。公然ですね。緊張します。優しくエスコートしてくださいね、課長?」
「……」
お前、ひょっとして、世に言う天然か?