課長、恋しましょう!
俺の家。明かりを消した部屋。シーツの海で泳ぐの俺と彼女だ。わりぃ、もちろんすっぽんぽんのぽんだ。

麻酔でも打たれちまったみてぇに瞳を潤ませる彼女が、俺の下で泣く。

泣いては、「熱い……」と囁いてくる。首筋に噛みつかれ、彼女の歯の堅さ、小ささを感じる。

部屋中が湯沸し器みてぇだ。今俺ン腕の中にいる彼女が、どんどん溶けちまう。ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ、背骨に力の入ってねぇ彼女を、だから俺は抱き寄せた。

彼女の腕が俺の首に巻き付く。

「か、ちょ――、すご……あつ……い……」

「ああ」

「か、ちょ、……わた……きも、ち――ひぃ……」

「ああ……」

「かちょ……」

「わり、あんま聞かれても、俺恥ずかしいわ」

互いに熱に犯されていると、バカになる。

そんなバカな頭で、彼女は笑った。あごが俺の肩に乗る。囁きが、吹き掛けられた。

「かちょ……の、照、れ屋、さん……♪」

そして俺らは疲れ果て、眠りについた。

腕の中で丸くなっとる彼女が、……そのなんだ……えらく、かわいかった。
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