課長、恋しましょう!
「く、食うか! 食ってとっとと会社行くか! な!」

「そっ、そうですねっ、食べましょ食べましょ、どうぞどうぞ!」

下らんことが嬉しいってのは、なんなんだろうな。

たぶんコイツがいるからか。

なあおい、40過ぎの独身だけどよ、俺、ちぃと動悸がすんのは、病気じゃねぇよな?

ああー……わかった。言いてぇこたわかった。あれだろ、これが『恋の病』ってんだろ?

はっは、らしくもない。

だけどなんだ……

「課長! じゃなかった、えっと、神さんっ、ごはんのお代わりどうですかっ?」

「おっ、おう、もらう」

悪いことは、ないよな。







ところでだ。

「なあゆかり」

「はい?」

「このトマト、なにかけてあんだ?」

「え? お砂糖ですよ」

「砂糖!? ばっ、てめぇなにやってんだよ!?」

「えー! 美味しいンですよ!? 私の中では、トマトはフルーツですっ!!」

「んなわけあるかぁ――っ!!」

やっぱり、彼女はおかしい。

なにせこんな俺に一目惚れなんだからな。
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