幼馴染は恋をする

「…なぁ」

「あ？」

「このままでいいのかよ」

「何が」

「卒業したら高校違うし、普通にしてても会えないぞ？」

「何が」

「はぁ、何の話してると思ってんだ。朝ちゃんに決まってるだろ」

「ああ、まあそうなるな」

「…ふ、ん」

「…何だよ」

「何でもない。お前がいいなら別に、だ」

「…別に。家だって知ってるし、連絡できるし」

甘いよな、その考え。実際、そんな風に思ってるとも思わないけど。改めて俺に言われて不安になってるのは確かだよな。…はぁ、なんで俺が心配してやらないといけないんだか…。

「向こうは共学、半分は男。こっちは…ほぼ男。女子は居ても……だ」

「そうだな」

んん、…ふぅ。
　
「なぁ…中学と高校じゃ全然違う。そこんとこ解ってんのかよ。卒業したら、イケメン野郎とはどうするのか知らないけど…。誰とだって今までのつき合い方とは違ってくるだろ？
お前…考えた事ないのかよ」

「ない事はない…」

「ふん。それ、単純にスケベな想像だよな」

「あﾞ？お、お前が振ってきたんだろ。あ、イケメン野郎って、言うなってさ。リョータ君だってさ」

「は？別に俺らは何て言ってても解んないからいいだろ」

「朝が言ってた」

「ふ～ん、あ、そう…。はぁぁ、もー、全然進歩のない話だな…」

「あ？」

「あーもう、いいわ。どうでもいいならどうでもいい。後悔とか、言うなよ。絶対言うなよ？」

「だから、何…」

「はいはい、終わり」

「…何だよ」

そんな話、してくるなって…。