幼馴染は恋をする
送ってきてくれてるからだ。それはどんな風に映ってるんだろう。
「普通。普通にしてるよ」
「貴浩君、朝の事、送ってきてくれるようになったのよね、朝」
お母さん、そんな言い方、今したら変だよ。
「送ってくれるって言うから送ってもらってるだけだもん」
「…心強いな。たまには晩御飯でも食べて帰るように、向こうの親御さんにも言っておくか」
「そうでしょ?そうしてもいいわよね?」
「ああ、いいに決まってる。好きな物を聞いておいて作るといい。できたらお父さんが早く帰れる日がいいな。貴浩君に会っておきたい。うちは男の子が居ないからなあ。色々と話したいなあ」
…なんだか変よ。…はっきり口に出してないけど、勘違いしてるんじゃないのかな。でもそれを私が言うと意識してるからじゃないのかって、更に誤解を生む?
微笑ましい…同級生のつき合いをしてるとでも思ってるのかな。そりゃ、ずっと学校でだって仲良くしてるけど、それって友達だからだよ?そういうおつき合いだよ?
……行く行くは貴浩君と結婚したいと思ってるって思ってるの?…好きだから、ちょっとでも早く結婚したいと思ってるって。
だから私が急に変な事を言い出したって。
「違う!違うからね?」
「お、急にどうした」
「あ、別に、何でもない。好きな物なら私、知ってるから」
あ。…。何でも知ってるって思われたかな。…もう。
「ハハハ、そうか、じゃあ、大丈夫だな。構わない日に"招待"しよう」
招待って。寄るだけでしょ?ご飯食べて帰るだけでしょ…。