幼馴染は恋をする
・罪は誰に
知らないうちに、なんて、よく聞く気づかなかった時の後悔の言葉だ。
今、それは朝の家に、親の心の中にぼんやりあるに違いない。
卒業式も終わった。
試験も終わった。合格発表も終わった。それぞれが希望の高校に受かった。
今は春休みだ。進級する時と違って、進学する者にとって春休みは妙な緊張とともに過ごす、暇な時間だ。
「なあ、誠人。また同じ組になると思うか?」
「思うね、断言する」
「フ、相変わらず根拠のない自信だな」
「根拠はある。強い絆だ」
「腐れ縁の方が強いんじゃないのか?」
「それだ。なんかさ、温くなってきたな。春ってさ、こう、ピシッとしないっていうかさ、眠くてしょうがない」
「眠いのは年中だろ?」
「それを言ったら身も蓋もない」
「…俺も怠い」
「なあ、会ってるか?」
「誰と」
「はぁ、絶対わざとだよな、いっつもそうだ。朝ちゃんのことを聞くと変に鈍くなるのな」
「朝って言わなかっただろうが。会ってないよ、全然…」
「連絡も?」
「全然…」
ゴトンゴトン、カタカタカタカタ…。
「…わ、俺、もう話してる余裕ないかも。わー、キャー!うお゙ーー」
「…煩いな、乗ろうって言ったのは、お前だろ?」
「だ、だって、こんなとこに来といて、これに乗らないなんて、わ、わ、わ、わー、ないだろ?わーーー、ふーー」
…何が楽しくて誠人と遊園地なんて。
「あ、あ、あ。あと、観覧車だからな。キャーー、ヤッホーイ!」
「観覧車って…」
「乗っておかないとな、うわ、うわ、わー、……気持ちいいー、すっげー、顔の肉が…ハハハ」
…恐いんじゃないのかよ。
「はあ、エネルギー使った、なあ?」
「お前だけだろ?」
「あ、観覧車あっちだ」
…聞いてんのかよ。ドン。
「お、馬鹿、急に止まんな、危ないだろ」
「…貴浩、俺…、見間違いかな」
「ん?何が」
「あれ…」
今、それは朝の家に、親の心の中にぼんやりあるに違いない。
卒業式も終わった。
試験も終わった。合格発表も終わった。それぞれが希望の高校に受かった。
今は春休みだ。進級する時と違って、進学する者にとって春休みは妙な緊張とともに過ごす、暇な時間だ。
「なあ、誠人。また同じ組になると思うか?」
「思うね、断言する」
「フ、相変わらず根拠のない自信だな」
「根拠はある。強い絆だ」
「腐れ縁の方が強いんじゃないのか?」
「それだ。なんかさ、温くなってきたな。春ってさ、こう、ピシッとしないっていうかさ、眠くてしょうがない」
「眠いのは年中だろ?」
「それを言ったら身も蓋もない」
「…俺も怠い」
「なあ、会ってるか?」
「誰と」
「はぁ、絶対わざとだよな、いっつもそうだ。朝ちゃんのことを聞くと変に鈍くなるのな」
「朝って言わなかっただろうが。会ってないよ、全然…」
「連絡も?」
「全然…」
ゴトンゴトン、カタカタカタカタ…。
「…わ、俺、もう話してる余裕ないかも。わー、キャー!うお゙ーー」
「…煩いな、乗ろうって言ったのは、お前だろ?」
「だ、だって、こんなとこに来といて、これに乗らないなんて、わ、わ、わ、わー、ないだろ?わーーー、ふーー」
…何が楽しくて誠人と遊園地なんて。
「あ、あ、あ。あと、観覧車だからな。キャーー、ヤッホーイ!」
「観覧車って…」
「乗っておかないとな、うわ、うわ、わー、……気持ちいいー、すっげー、顔の肉が…ハハハ」
…恐いんじゃないのかよ。
「はあ、エネルギー使った、なあ?」
「お前だけだろ?」
「あ、観覧車あっちだ」
…聞いてんのかよ。ドン。
「お、馬鹿、急に止まんな、危ないだろ」
「…貴浩、俺…、見間違いかな」
「ん?何が」
「あれ…」