新・イジメ.COM
☆☆☆

その後、学校内に隠れていた大志は教師たちに囲まれて学校を出て行った。


これから大志にどんな制裁が待っているのか、教室内は重たい空気に包まれている。


「畠平さん、ひとまず目を覚ましたみたいだよ」


休憩時間になると、クラスメートたちがそう噂をし始めた。


何人かが畠平さんと連絡を取って確認したようだ。


「よかったね」


ホッとしたように美文が言う。


「うん……」


意識を取り戻したことは良かったかもしれない。


でもそれは単純に不幸中の幸いというだけだった。


あそこであたしたちが登校して来なければ、大志は攻撃をやめなかったかもしれない。


そうなると、畠平さんはどうなっていたか……。


もしかしたら、死んでいたかもしれないのだ。


そもそもアプリが原因でこんなことになったのに、原因のすべては大志にあるという認識になっているのもおかしい。
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