新・イジメ．COM
あたしたち３人も、ロープと剣山を前の前にして座るしかなかった。


全員が座ったのを見計らったように、１人の女性の先生がステージに現れた。


その手にはマイクを持っている。


先生がロープの下あたりで立ちどまると、次に男性教師が２人、大志を連れて出て来たのだ。


大志の顔は半分腫れ上がっていて、口から血が流れている。


しかし、誰からも手当てを受けていないようだ。


大志は脚立の前で立ちどまり、男性教師はそのままその場を離れた。


しかし、大志は逃げ出そうとしなかった。


ジッと目の前の脚立を睨み付けて、動かない。


普段の大志なら暴れたり怒鳴ったりしていそうなのに、それすらもしない。


「それでは、退学になった今林大志君にはこれから綱渡りをしてもらいます」


女性教師が楽しげな声で言う。
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