新・イジメ.COM
「さすがに、自分で撮影しながらイジメるのは大変だから、手伝てくれない?」


そうはそうかもしれないけれど……。


あたしは横目で美文を見た。


美文はうつむいたままでなんの反応も見せない。


あたしが撮影することで、美文は2人同時に裏切られた気分にならないだろうか?


「早くしてよ」


渚はいつもより強気な態度で、そう言った。


「……わかったよ」


美文のことも渚のことも守りたい。


そのためには今は美文に我慢してもらう必要があった。


命令が失敗したとき制裁は命にかかわるから。


そう考えて、あたしは動画撮影を開始したのだった。
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