新・イジメ.COM
「そんなことよりちゃんと撮影してよ」


渚はそう言い、スマホをあたしに手渡して来た。


美文は本当に怯えているようで、涙目で渚を見上げている。


こんなことをしていたら、あたし達の関係は壊れてしまう。


「美文、あんたあたしがつるし上げられても平気?」


渚が試すように美文へ聞く。


美文は渚の言葉にビクリと体を撥ねさせて左右に首を振った。


「ほぉらね! 美文もあたしを助けたいんだって。だから、ほら」


渚はそう言ってあたしの肩をつついた。


あたしは仕方なく動画撮影を始める。


本当はこんな撮影しなくても、監視カメラで全部撮られているはずだ。


こんな演出をするのは視聴者を楽しませるために決まっていた。


「さぁ~! じゃあはじめようか!」


渚は楽し気な笑い声と共にそう言い、美文の髪を切り落としたのだった。
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